2021 南山学園概要

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- 南山学園の歩み
法人合併によ る新たな出発
1995- 2011
21世紀の教学組織を構築
1995年の名古屋聖霊学園との合併は、 南山大学の将来構想を より大き く描く ことを可能にした。 特に国土法の規制対象であっ た名古屋市に位置する南山大学が、 総合政策 ・ 数理情報の2学部 からなる第二のキャンパスを瀬戸市に設けることは、 名古屋聖霊 短期大学の協力なく し ては成し得なかった事業である。 当時の厳 しい教育環境の下でカ トリック教育を守り、 発展させるために、 建学の精神を共有する両学園が法人合併を実現したことは、 モ デル ・ ケー スとし て、 内外から多く の関心を集めた。 この合併の成 果は、 各学校の学生 ・ 生徒募集にプラスになったばかりではな く、 より望ましい教学組織のあり方を考える機会ともなった。 名古屋聖霊短期大学は、 志願者減少と女子の4年制大学志向の 高まりのなかで、 2000年度には国際文化学科を新設の南山大学総 合政策学部の中に発展的に解消し、 2005年3月には生活学科も、 35年に亘る女子短期大学教育の使命を全う し て、 閉学した。 名古屋聖霊学園との法人合併が無事に完了した後、 南山学園 は、 南山大学名古屋キャンパスの改組改編に着手した。 これは 南山短期大学人間関係科の発展的解消と文学部改組への参画 をも含むものである。 人間関係研究センターは2000年に大学へ 移管され、 2002年に第8代短期大学長に就任した谷川義美教授 (神言会員) は、 英語科単科となった短期大学の入学定員増
(250名) やカリキュラム改革により活性化をめざした。 同年、 南 山短期大学コミュニティーカレッジを再開。 大学では、 文学部の 文学 ・ 語学系の学科を外国語学部に移行させるとともに、 新た に外国語学部にアジア学科を設置することとした。 1999年4月、 任期を満了したペドロ ・ シモン理事長の後任とし て、 ミカエル ・ カルマ ノ文学部教授 (神言会員) が就任した。 カル マ ノ理事長就任後、 南山学園は南山大学を中心とし て21世紀に おいて大きく飛躍するために様々な将来構想を検討し、 その方 針を打ち出し ていく ことになる。 2000年4月、 瀬戸キャンパスに総合政策学部と数理情報学部 (現在の理工学部) が開設され、 同時に名古屋キャンパスにも人 文学部と新しい外国語学部が設置された。 これにより大学は、 文 系と理系の学部を擁する学際的な総合大学とし て新しい時代を 迎えた。 研究施設の充実も行われ、 2003年4月には、 これまでの 南山大学の言語学研究の伝統を背景に言語学研究センターを 設置した。 2004年4月には、 名古屋キャンパスの文学研究科と外 国語学研究科を改組し て人間文化研究科修士課程と国際地域 文化研究科修士課程を設置し、 瀬戸キャ ンパスには総合政策研 究科修士課程と数理情報研究科 (現在の理工学研究科) 博士課 程を設置した。 さらに初の専門職大学院となる法務研究科 (法 科大学院) を新設した。 2005年4月には、 オー ス トラリア研究セン ターと2003年に設置したアジア研究セン ターを統合し てアジア ・ 太平洋研究センターを設置し、 瀬戸キャンパスに数理情報研究 センター (現在の理工学研究センター) を設置した。 2006年4月 には、 ビジネス専門職大学院となるビジネス研究科 (経営学研究
名古屋聖霊学園の歩み
南山学園と合併した名古屋聖霊学園は、 聖アー ノルド ・ ヤンセンが学校教育事業を通し ての日本宣教をめざし、 1908年に日本に派遣した聖霊会 によって1948年に名古屋市に設立された。
■ 聖霊会の日本における事業
聖霊会は先ず、 秋田市で女子教育を開始し、 明治・大正・昭和と激動の 時代を経てその発展に尽くした。 秋田市の聖霊学園は、 現在、 短期大学、 高 等学校、 中学校、 幼稚園の一貫した女子カ トリック総合教育機関とし て、 地域 社会で高い評価を得ている。 また、 社会福祉事業の側面で、 神言会員ライネルス師の要請に応え、 金 沢聖霊病院、 名古屋聖霊病院を開設し、 老人保健施設も併設して、 地域に 開かれた保健 ・ 医療 ・ 福祉の促進に努めている。 1932年に名古屋市に南山中学校 (男子校) が設立されると、 翌年に聖霊 会も修道会本部を秋田市から名古屋市に移し、 女子の学校教育事業への 準備に入った。
■ 瀬戸市への学園移転と名古屋聖霊短期大学の開学
名古屋聖霊学園は、 中学 ・ 高校への志願者増と高まる短期大学設立の要 望に応え、 創立20周年を祝う1970年に、 瀬戸市への学園全面移転と名古屋 聖霊短期大学の開学を実現した。 時代の要請と発展に伴い、 名古屋聖霊短 期大学は学科名を家政学科から生活学科に改称し、 家政専攻は生活文化専 攻に改組し て、 衣文化 ・ 食文化 ・ インテリアデザイン ・ 人間関係 ・ 教養の5履修 コースに発展的に充実整備し、 栄養士養成をめざす食物栄養専攻とともに 実学的な教育を実践し てきた。 さらに、 1982年には、 短期大学で全国初の国際文化学科を増設し、 英語 ・ ドイツ語 ・ スペイン語 ・ フランス語の特色ある4履修文化圏を設け、 世界に広 く求められる緊要な国際化教育を推進し てきた。
■ 名古屋聖霊学園の設立と聖霊高等学校 ・ 中学校の開設
戦後、 戦災と荒廃した名古屋市で、 聖霊会は女子教育とし て手芸教室と看 護婦養成コー ス、 聖霊アカデミー本科を開始し、 1948年に名古屋市中区三の 丸で財団法人名古屋聖霊学園を設立した。 1949年に聖霊中学校、 1952年に 聖霊高等学校が設置された。 終戦直後のことで、 校舎は占領軍の米軍接収 下にあった旧陸軍兵舎を借用しての多難な出発で、 施設も、 机も椅子も、 教 科書も、 不足し ていたが、 戦後の復興の機運のなかで、 シスターたちは理想を 高く掲げ、 人心を刷新する清純な教育を行った。
■ 南山学園との法人合併
1995年に南山学園と名古屋聖霊学園の学校法人合併が実現した。 両学園 を運営する神言会と聖霊会は同じ創立者から同じ使命達成のために派遣さ れ、 特に名古屋地区では戦後の困難な社会情勢のもとで、 それぞれの学校 法人として各学校を設立し、 宣教教育活動を実現してきた。 時が満ち、 神の 摂理のもとに法人合併が実現し、 聖霊高等学校 ・ 中学校、 名古屋聖霊短期 大学は新南山学園の中にしっかりと位置づけられた。
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