2020 南山学園概要

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- も神の似 姿であることが 強 調されています 。 イエスはこの精 神にのっとって 、 男性のみに離 縁 の 権 利を 認 めていた 制 度 を拒 否し 、 また 、 女 性をも弟子の間に迎えました 。 その福 音の要は 、 人はみな神の子なので 、 やがて 「 神の国 」 が出来 上 がるとき 、 誰もが 歓 迎される 、 ということでし た。 とくに 差 別されていた 人々にとって 、 これ は 前 代 未 聞 のうれしい 知らせでしたが 、 権 力者に は 従 来 の 体 制を 危うくしかねない 脅 威と映った ので 、 イエスは十 字 架 刑に処せられました 。 この イエスを神がわが 子として迎 え 、 その下にすべて を一つに集 めることを望 んでおられる 、 というの が 復 活 信 仰の 要で す 。 その 信 仰を広めたパウロ は、 ガラテアの 信 徒 への手 紙の中でこう訴えてい ます 。 「 もはやユダヤ人もギリシャ人もなく 、 奴隷 も自由な身分の者もなく 、 男も女もありません 。
あなたがたは皆 、 キリスト・イエスにおいて一つだ からです 。 」 (3章28節) 。 もちろん 、 イエスやパウロの言 動によって 、 直ち に奴 隷 制 度や男女 差 別が 消えたわけではありま せん 。 しかし 、 その 精 神に 鼓 舞されて 、 どんな人 間にも 、 まさしく一 個人として侵すべからざる尊厳 がある 、 ということが 、 今広く認められています 。
ライ ネルス館は、 旧制南山中学校、 外国語専門学校、 大学、 中学校の校舎として 使用された。 (登録有形文化財、 名古屋市都市景観重要建築物)
教育の4つの特色
宗教性の涵養
南 山 学 園で は 、 宗 教 性 の 涵 養 について二つの 課 題を区 別しています 。 一つ は 、 キリスト教 、 ユ ダヤ 教 、 イスラム 教 、 仏 教 などを問 わず 、 生 かさ れていることへの 感 謝 、 という基 本 的 な 宗 教 心 を育むことです 。 私が今 このように生きているこ とは決して当たり前 ではありません 。 天 地 万物の 存在、 生 命 の 進 化や人 類 の 歴 史 、 とりわ け 国 や 家 族など 、 種々多様な無 数の積み重 ねがあって 、 私が 生きています 。 否、 ただ生きているだけでな く、 まさに生 かされ ている 、 ということで す 。 教 育の 現 場でこの 感 受 性 を育 むことは 大 切 なこと です 。 なぜなら 、 自分が 生かされていることに感 謝 ができる人は 、 自分と同じように生かされてい る他 者を思いやることができるからです 。 こうした基 本的な宗教心の涵養に加えて 、 世界 の主だった宗教についての基 本的な知識を教える ことがもう一つの課 題です 。 この知識を身につけ た人は 、 将 来世界のどこへ行こうとも 、 その地域に 住む人々の考え方 、 価値判断や生活 習慣などの根 幹をなすものを正しく評 価し 、 相互 理 解に貢献で きるようになります 。 グローバル 化が急 速に進 む 中では 、 異なる宗教をもつ人々との出会いも増える に違いありません 。 こうした接 触が誤解 、 摩擦 、 衝 突につながらないように 、 相互 理 解に貢 献できる 人は 、 今後ますます必要となるでしょう 。 現 代のキリスト教は西 欧 文 明と極 めて 密 接な 関 係にありますが 、 他方、 すべての良いものはそ の起 源がどこにあろうとも 、 それを素 直に取り入 れよう 、 という包 容 性もキリスト教の誕 生にまで さかのぼります 。 聖書にはこう書いてあります 。
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