2020 南山学園概要

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- 南山学園の歩み
を中心にオールラウンドに履修することで人間関係そのものを 学ぶ学科である。 しく発展し、 対外的にも、 その名が広 く知られるようになった時 期であった。 学部、 学科としては、 1972年、 文学部に国語学国文学科が増 設され、 文学部は8学科となる。 1977年には長年の念願であっ た法学部 (法律学科) が設置された。 この新たに設置された学 部は、 南山学園の伝統・教育理念に積極的に適合しながら中 部地域社会の要望に応えるものとして構想されたのであった。 大学院については、 1970年代に充実期を迎えた。 1972年の文 学研究科仏文学専攻博士課程の設置を手はじめに、 経営学研 究科経営学専攻、 文学研究科独文学専攻、 神学専攻がそれぞ
南山短期大学キャンパス (1971)
れ、 博士後期課程まで増設され、 1981年に法学研究科法学専 攻修士課程が設置された。 1974年は大学の創立25周年であったが、 これを機に、 前述 の法学部設置や大学院充実に加えて、 新しい構想が展開さ れた。 まず、 1974年には大学に日本研究センター (外国人留 学生別科) が設置された。 これは、 外国人学生をキャンパスに 迎え、 1年間にわたり日本語と日本文化を教授するという中部 地区では初めての画期的な制度であり、 早速アメリカの大学、 研究機関などから積極的な関心が寄せられたのであった。 南 山の国際性を示す上で、 まことに有意義な試みであった。 学園の宗教精神を具現するものとしては、 1973年にロゴス ・ センター、 1974年に南山宗教文化研究所が設置された。 ロゴ ス ・ センターは従来の宗教センターを新しいかたちで継承する もので、 大学に隣接した敷地に作られ、 運営は神言会による ものであったが、 2017年に大学に移管された。 南山宗教文化研 究所は、 日本文化の形成に宗教が果たす役割の研究を目的と し、 国際的、 総合的な特色を有する研究所として設立された。 当初、 この研究所は学園によって運営されたが、 1979年に大学 に移管された。 1975年には大学本部北側の旧野球場がグリーン・エリアと して整備され、 近代的な教室棟、 研究棟を背景に、 緑のオア シスが誕生した。 このグリーン・エリアの造成に際して、 初代 学長パッヘ神父にちなんでパッヘ・スクエアが作られ、 記念碑 が建立された。 1976年にはアメリカ研究センターが設置され た。 このセンターは、 アメリカ研究における中部地区の拠点と なるとともに、 南山大学での学際的なアメリカ研究・教育を推 進することを目的としている。 1979年には南山中学校に海外 帰国子女特別学級が設置され、 その後、 1981年には中学校の 国際部、 1982年には高等学校の国際部に発展する。 1982年は南山学園創立50周年であり、 10月30日学園講堂に おける記念式典をはじめ学園内で数々の記念行事が行われ た。 特に、 大学では、 この学園創立50周年を機会に南山大学 「国際化プロジェクト」 を発足させ、 社会倫理研究所の設置、 外国語センター (ヒルシュ マイヤー記念館 〔L棟〕 ) の開設、 視聴
1974年、 アルベルト・ボルト理事長が短期大学長を兼任す ることとなり、 1977年には人間関係科の人的・物的なリソース と研究成果を広く社会に公開し、 社会の発展に寄与すること を目的とした人間関係研究センターが設置された。 このセン ターは学際的な研究活動とともに、 人間関係に関する種々の 研修を行い、 その特色ある活動は、 東海地域だけでなく全国 的にも注目された。 1979年、 ヨハネス・シューベルト神父 (神言会員) が第3代 短期大学長に就任し、 1983年には、 南山学園の知的・人的資 源を広く学外の人々に提 供することを目的として 、 語学・実 技・宗教の分野で公開講座が開設された。 この講座は、 のち にコミュニティカレッジ公開講座として発展し、 1989年に学園 に移管される。 1984年、 シューベルト学長の任期満了とともに、 ペドロ ・ シモ ン神父 (神言会員) が第4代短期大学長に就任し、 「ファミ リー ・ スピリッ ト」 を大切にする教育環境を一層充実させていった。 このようにし て 「人間の尊厳のために」 をモッ トーとする南山短 大のユニークで新しい教育の試みは人々に広 く認知されていった のである。
教育 ・ 研究の拡充と 国際化への努力
1972- 1983
地域社会との交流を深めながら
1972年、 大学では沼澤学長が退任し、 ヨハネス ・ ヒルシュ マ イヤー経営学部教授 (神言会員) が第3代学長に就任した。 ヒ ルシュ マイヤー学長は、 1983年の急逝に至るまで10年余、 学長 の職にあった。 ヒルシュ マイヤー学長の時代には、 創立以来の 「キリスト教的」 「 学究的」 伝統が継承されるとともに、 南山の 「国際的」 「地域社会的」 独自性がよ く発揮され、 南山大学が著
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