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【南山学園に関わる全てのみなさまへ】クリスマスにあたっての理事長メッセージ

2023.12.01

南山学園の教育にご子息、ご息女を託してくださっている保護者の皆さま、直接、間接に本学園の教育事業を支えてくださっている同窓生の皆さま、本学園の教育事業にご理解とご支援を賜わっているすべての企業の皆さまに、日頃の感謝とともに、クリスマスのお祝いを申し上げます。


ところで、人は「子どもの童話」を人生で三回読む、という言い方があります。一回目は、自分が子どものときに読む、二回目は、自分が母親あるいは父親として子どものために読む、三回目は、自分が大人として自分のために読む、という具合です。同じ童話であっても、わたしたちは、その話に違った年代で接し、その時々に必要なメッセージと生きていくヒントを、そこから受け取ることがあるようです。そういう意味では「子どもの童話」にはいつも何かしらの「真実」が含まれている(Children’s Stories always have a certain Truth in them)、それも「共に生きていく」ために大切な「真実」が含まれていると言えそうです。


「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった」(『ルカによる福音書』2章10節―11節)。救い主の誕生を告げる天使の言葉です。これは、子ども向けの童話ではありませんが、子どもも大人も一緒に読むことのできる話、それも国と時代と文化を超えて共有されている話です。このクリスマスのメッセージを、わたしたちは、この惑星に住む一人の人間として、また、幸せや喜びだけでなく、現実の闇や苦しみや不条理も多かれ少なかれ体験している一人の大人として、どう読むのでしょうか。


世界がどのような状況であっても、変わることなく告げられてきたこの言葉は、この季節に、世界の各地で、それぞれの言語で、苦境の中にあっても、読まれています。それは、そこに、わたしたちが「共に生きていく」ための励ましを聞くことができる、と予感されているからではないでしょうか。わたしたちは単に何の意味もなく地球上に生まれてきたのではなく「共に、支え合って、喜んで、生きていくために生まれてきた」のだということを、そして、憎しみや復讐ではなく、お互いのゆるしと和解が世界に本当の平和をもたらす働きを託されている、ということを改めて思い起こしたいと思います。脚本家の倉本聡さんは、あるインタビュ―の中で「クリスマスは何かをしてもらう日ではなく、人のために何かをする日だ、それを忘れないようしたい」と言われていました。苦境にある現在の世界の回復のために、わたしたちに今できることを、平和を願う人たちと一緒に、実践したいと思います。


南山学園を支えてくださるすべての皆さまに改めて感謝し、そして、世界の本当の平和を願いながら、ともにクリスマスを祝いたいと思います。

メリークリスマス!

南山学園理事長 市瀬 英昭

                                                                 
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