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【南山学園に関わる全ての皆さまへ】クリスマスにあたっての理事長メッセージ

2022.12.02

南山学園はカトリックのミッションスクールです。

キリストの生誕をお祝いするクリスマスにあたり、本学園理事長より全てのみなさまへ向けた「クリスマスメッセージ」をお届けいたします。

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南山学園の教育にご子息・ご息女を託してくださっている保護者の皆さま、直接、間接に本学園の教育事業を支えてくださっている同窓生の皆さま、本学園の教育事業にご理解とご支援を賜っているすべての企業の皆さまに、日頃の感謝とともに、クリスマスのお祝いを申し上げます。
皆さん覚えておられると思いますが、NGO「ペシャワール会」の医師であった中村哲さんは2019年12月4日アフガニスタンで武装集団に銃撃されて亡くなりました。73歳でした。中村哲さんは、2000年に南山高等・中学校 男子部に講演で来られましたが、その経緯は男子部の元教諭によって紹介されています(「南山アーカイブズニュース」第13号、2020年)。また、今年2022年には、その活動を描いたドキュメンタリー映画「荒野に希望の灯をともす」も製作されました。アフガニスタンの人たちのために善意で献身的に活動された方があのような形で亡くなったことに、わたしたちは、大きな悲しみと、また、不条理を感じます。しかし、その死で全てが終わってしまったのではないということにも、いま、気付かされています。その意志がいろいろな形で引き継がれているからです。

中村哲さんが生前モットーとしておられたことが二つあったそうです。一つは「誰かの、何かの役に立ちたい」ということ、もう一つは「裏切られても裏切り返さない」ということです。
言葉としては簡単ですが、特に二つ目のモットーは、実践するのが非常に困難であることをわたしたちは、現在の世界のありさまを前にして実感しています。しかし、困難であることと不可能であることとは異なる、ということも肝に銘じたいと思います。
世界がどのような悲惨な状況であっても、毎年クリスマスは祝われます。それは、どんな困難の中でも「希望の灯を消さない」ためでもあります。12月25日のクリスマスミサで朗読されるヨハネ福音書はこうはじまります。

「初めにことばがあった。ことばは神と共にあった。ことばは神であった・・・ことばのうちにいのちがあった。いのちは人間を照らす光であった」。そのあと、突然、現在形が登場します-「その光は暗闇の中で輝いている」。慰め深い「現在形」です。それは、わたしたちを励まし、行動へと促す「現在形」でもあります。

南山学園もその光を受け継ぎながら、希望をもって教育研究活動に邁進してまいります。カトリック名古屋教区は、本年、教区設立100周年を迎え、南山学園も創立90周年を迎えることができました。南山学園を支えてくださるすべての皆さんに改めて感謝し、そして、世界の本当の平和を願いながら、ともにクリスマスを祝いたいと思います。メリークリスマス! 

南山学園理事長 市瀬 英昭

                                                                 
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