南山学園案内誌 2024
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トマ・アンナ・テレン第4代名古屋聖霊学園理事長共に歩む神言会と聖霊会 「神言会」と「聖霊会」の創立者ヤンセン師は、神の言葉「神言」の光に照らし導かれ、その神の霊「聖霊」の慈しみによって世界の人々が培われることを使命とする両修道会を創立した。ヤンセン師が、キリスト教的精神に基づく高等教育機関の設立要請に応えて、教育と学術に優れた神言会会員を日本に派遣したのは1907年のことであった。 当時の秋田、山形、新潟、富山等の地域のニーズに応え先ず女子教育が緊要で、翌年に5名の聖霊会会員が来日し、秋田市に幼稚園、女子職業学校を設立し、現在の短期大学、高等学校、中学校、幼稚園を含む一貫した女子の教育機関として今日の発展をみる学校法人聖霊学園の基礎が築かれたのである。 聖霊会は、その後、神言会ライネルス師の要請により、1913年に金沢聖霊病院、1947年に名古屋聖霊病院を設立し、福祉事業にも力を注いできた。 ライネルス師が名古屋市に南山中学校を設立され、神言会の教育事業は初めて芽生えて東海地区に深く根を下ろした。聖霊会も本部を秋田市から名古屋市に移し、南山学園に隣接する現在地に本部修道院を建設した。1948年、南山中学校に女子部が開設されたとき、聖霊会シスター数人も教鞭をとった。 今、神言会と聖霊会が共に歩んだ90年を振り返り、名古屋聖霊学園の設立と、瀬戸への学園移転に伴う苦難の日々を思うとき、それが今日の南山学園との法人合併に至る神の摂理の道であったと思わざるをえない。 21世紀は、あらためて人間教育の本質が根底から問われる時代である。神言の光と聖霊の慈しみのもとに、建学の理念を再確認し、新南山学園が21世紀に相応しい“人間の尊厳のために”を基盤とする先進的な教育の場を聖霊キャンパスに実現することを期待したい。それはヤンセン師が日本宣教に意図した教育の理想実現への新たな一歩であると確信したい。 (1997年)Thoma Anna TellenMESSAGE. 2– 23 –

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