『南山学園史料集13 南山大学設置認可申請書』
2018.03.12
編集・発行:南山アーカイブズ 2018年3月12日
目 次
凡 例
一 一九四八年七月三一日 南山大学設置認可申請書・・・1
1 南山大学設置要項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
2 学 則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3 校 地(図面添付)・・・・・・・・・・・・・・・・・40
4 校舎等建物(図面添付)・・・・・・・・・・・・・・・44
5 図書標本機械器具等施設【神言会管区長証明書略】・・・56
6 学部及び学科別学科目・・・・・・・・・・・・・・・・62
7 履修方法及び学位授与・・・・・・・・・・・・・・・・79
8 学部及び学科別学生収容定員・・・・・・・・・・・・・87
9 教員組織【管区長による赴任証明書略】・・・・・・・・90
10 設置者に関する調べ【部分収録】・・・・・・・・・・120
11 将来の計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・133
二 関連資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・139
1 南山大学設立委員会 ・・・・・・・・・・・・・・・・140
2 私学振興公社に対し(私学連盟を通じ)提出書類案 ・・146
3 一九四八年八月三一日 南山大学設置申請書類 ・・・・150
4 一九四九年三月二一日 南山大学設置認可書 ・・・・・156
5 一九四九年三月二五日 南山大学夜間部設置認可書 ・・158
6 南山大学教員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・160
三 解 説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・162
本史料集は、1949年に開学した南山大学の設置認可申請書を複写刊行したものを中心とし、あわせて設置申請に係る文書のうち、大学設置という事業の困難さが伝わるものを選んで収録しています。
設置認可申請書は記載されるべき項目が決まっており、それ自身としては大部の事務文書に過ぎないと言えるかもしれません。しかし、注意して読んでいくと、記述の端々に、これから設置されようとする大学の理念、性格や、ごく間近に予定される将来計画への布石と思われるカリキュラムなどを読み取ることができるでしょう。
南山大学は名古屋外国語専門学校のみを前身校としていますが、設置された大学は外国語大学ではなく、学部も文学部でした。しかし、学科の編成は外国語専門学校のそれを直接に継承しています。これは、設置される新しい大学が単科大学にとどまるのではなく、人文・社会科学に亘る総合大学を目指していたからと言えるでしょう。将来計画に予定された学部・学科の増設は、「将来」の計画ではなく、大学開学初年度から着手される「予定」であり、やや形を変えながら着実に進行していきました。また、理系学部設置を配慮した教員構成や、音楽科のように南山大学にはやや異質と思われるような学科の設置を意図したカリキュラムなど、南山大学設置認可申請書には初代学長となるアロイス・パッヘの構想がちりばめられています。
パソコンで文書を作成し、コピーで副本を作ることが当たり前の現在からみると、ガリ版刷りと薄紙にカーボン紙を挟んで副本を作っていた時代の苦労は想像するばかりです。複写刊行という形を取った本史料集から、そのような時代の人々の努力を読み取っていただければ幸いです。