『南山学園史料集10 ヒルシュマイヤー著作集 教育論』
2015.03.16
編集:南山大学社会倫理研究所、南山アーカイブズ、ヒルシュマイヤー著作集編纂委員会
発行:南山アーカイブズ 2015年3月16日
目次
1 教育論
(1)日本経営論の視点からの教育論
「教育ママ・企業パパ」
「日本の文化と企業の成長「教育ママ・企業パパ国家」の落し穴」
「頭のある国は貧乏しない―ドイツと日本の繁栄―」
(2)比較社会的な視点からの教育論
「バラエティのある個性を認めたい」
(3)キリスト者としての視点からの教育論
「青年の良心形成」
「厳しさの中で良心に従う 西欧の公共心の底流にあるもの」
「良心に従った個人の確信を」
2 大学論
第四回愛知県文化問題懇談会での小報告
「教育と文化」
「南山大学創立二五周年にさいして」
「創刊の辞」
「知識産業とその消費者」
「大学教育と人間形成」
「これからの課外活動のあり方」
3 南山大学史
『南山大学の歩みと展望 昭和五十二年』
『南山大学の教育理念』
『人間の尊厳のために―南山大学の教育理念について―』
”HOMINIS DIGNITATI”
”NANZAN AT TWENTY FIVE: THE ROLE AND IMPACT OF NAGOYA’S CATHOLIC UNIVERSITY”
4 エッセイ・講演録
「紙つぶて」
「全き人間を育てる―頭と心のバランスを求めて―」
5 補遺
「経済行動を形成する二つの要因について―文化と技術の相関関係―」
”Boeki Masatsu, Gyokaku to Shihonshugi no Kiki-Nihon no Yakuwari-“
解説
ヒルシュマイヤーの教育論 林 雅代
ヒルシュマイヤーの大学論 永井英治
解題
本史料集は、南山大学第3代学長ヨハネス・ヒルシュマイヤーの経営史・経済学に関する論稿をまとめた『工業化と企業家精神』(2014年、日本経済評論社)の姉妹編に位置付けられる。ヒルシュマイヤーは、学長として、経営史研究者として、またドイツ人神父として、教育論・大学論についての多くの講演・寄稿依頼をこなしていた。本史料集は、それらの中から主要と思われる論稿を選んで、一書としたものである。また、『工業化と企業家精神』刊行後に発見された経営史・経済学に関する論稿を補遺として収録した。
ヒルシュマイヤーの大学論は大学教育論が中心であり、本史料集に収録した論稿は教育論に収斂する。本史料集を通覧すれば、議論の基礎をなす日本社会に対する理解が、ドイツを中心とした欧米と日本との比較、カトリック神父としての世界観に基づくものであることが理解されよう。その意味で本史料集の論稿は、日本にあるカトリック大学のドイツ人学長による教育論ということができる。