南山アーカイブズの設置概要・役割についてご案内します。
設置概要
南山アーカイブズは、2014年9月、南山学園史料室と南山大学史料室が統合して、南山学園の史資料保存利用施設として、南山学園発祥の建物である「南山学園ライネルス館」に開設されました。学園に関する史資料の収集、調査、整理、保管、公開および活用等を行い、教育・研究等に資することをその目的としています。
収蔵対象が学園業務文書と学園史資料の2本立てであること、教員が個人で管理していた業務文書(教育・研究を含む)を受け入れていることが特徴です。
役割
- 南山学園に関する史資料の収集、整理、保管、公開などを行い、教育・研究に資すること。ただし、公開にあたっては「個人情報の保護に関する法律」及び南山学園の規程に準拠する。
- 今日までに形成されてきた学園のアイデンティティを再確認・検証し、今後の教育・研究に役立てること。
- 日本の高等教育や地域社会などの教育・研究に役立てること。
業務
- 南山学園に関する史資料の移管、収集、調査、整理、保管、公開および活用等
- 教育・研究活動への支援
- 南山学園史料集、アルケイア、南山アーカイブズニュース、南山学園報、その他刊行物の発行
- 南山学園設置校および南山学園に関係するカトリック修道会の史資料関係部署との連携に関する事項
- その他アーカイブズの目的達成に必要な業務
収蔵史資料
- 南山学園の教育研究に関わるさまざまな史資料
- 南山学園の管理運営に関わる事務文書等の史資料
※収蔵史資料の一部は展示室にて公開しております。
スタッフ
南山アーカイブズ館長 | オズワルド・カバラル(南山大学名誉教授) |
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南山アーカイブズ担当大学教員 | 永井 英治(南山大学国際教養学部教授) |
事務職員 | 4名(総務課所属) |
南山アーカイブズ委員会
南山アーカイブズの事業や業務及び運営に関する事項を協議・決定する機関として、理事会の下に南山アーカイブズ委員会を設置しています。
委員長 | 常務理事(総務担当) |
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委員 |
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「南山学園ライネルス館」について
所在地 | 名古屋市昭和区五軒家町6番地 |
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年代 | 昭和7年[1932年] |
構造等 | 鉄筋コンクリート造・3階建 |
設計者 | マックス・ヒンデル |
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ライネルス館は、南山学園発祥である旧制南山中学校校舎として建築されました。
スイス人建築家であるマックス・ヒンデルは大正13年[1924年]~昭和15年[1940年]に日本で建築家として活躍し、上智大学(東京)のほか、主税町教区長館(名古屋市東区)、恵方町教会(名古屋市昭和区)などを設計しています。創立者ライネルス師は教会建築を通してヒンデル氏と親交を深め、南山中学校校舎建築の設計を依頼しました。
戦時中は軍に接収され、迷彩色に塗られた時代もあり、戦後は、南山外国語専門学校・南山大学の設置に伴い、昭和25年[1949年]に西翼校舎、昭和25年[1950年]に東翼校舎を連結増築し、南山大学の最初の校舎にもなりました(昭和39年[1964年]に南山大学は移転)。その後は南山高等・中学校国際部(南山国際高等・中学校の前身)の校舎、南山学園本部としても使用され、現在は「南山アーカイブズ」として、南山学園の伝統を守り、受け継ぐ場所となっています。
建物は左右対称で、玄関に4本の円柱を置き、外壁は黄土色のテラゾー(人工大理石)で落ち着いたデザインになっており、全体として規律と地味さが際立つ意匠といえます。屋上の手摺壁であるパラペット(胸壁)には山形の切込みは特徴的で他に類を見ません。
内壁は漆喰塗とし、廊下や教室は各回とも柱や壁に腰羽目をかなり高い位置(約1.4m)まで張って、床とともに焦げ茶色で統一したシックな色彩となっています。こうした色調の中に、二列で割った折れ階段や、当時では珍しい水洗トイレを採用するなど、変化の新鮮さのある校舎でした。校舎北側の運動場へのアクセスのため、1階には階段室が設けられています。
学園講堂(左)とライネルス館(右) 写真:卒業生提供