理事長のメッセージ

ハンス ユーゲン・マルクス理事長
ミカエル・カルマノ理事長

 南山学園は、常に教育と研究の原点に立ち返り、学生・生徒・児童の人格形成、教育の充実を図り、有為な人材の育成を通じて社会貢献することを目指します。
 そのため、理事、学長・校長、教育職員、事務職員等の構成員が一体となって努力していくことを表明いたします。


Rev. Michael Calmano, S. V. D. Chancellor, Nanzan Gakuen

人間の尊厳を尊重かつ推進する人材育成が南山学園のミッション

キリスト教世界観に基づく教育

 南山学園は、中部唯一の小学校から大学院までのカトリック系総合学園で、キリスト教世界観に基づく教育を行ない、人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成を目指します。キリスト教世界観の要は、一人ひとりの人間がまさに一個人としてかけがえのない存在であり、侵すべからざる尊厳を持つ、という考えです。したがって、キリスト教世界観に基づく教育の目標は、一人ひとりがまず自分の尊厳に気づき、その徹底を図る一方、他者の尊厳を認め、共に、人間の尊厳が尊重され推進される社会づくりに役立とう、という生き方を培うことです。この建学の理念を端的に表現するために、南山学園の各学校はラテン語でHominis Dignitati、すなわち「人間の尊厳のために」という統一の教育モットーを掲げています。

 ここでいう「尊厳」とは、「立派な人物であるから尊敬される」といった条件つきのものではありません。神との関係において全ての人間に刻印され、本質的に備わっている神聖性、厳かさのことです。聖書の冒頭に、天と地、植物と動物など創造が述べられた後、こう続きます。「神は言われた。『我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。』」(創世記1章26節)。すなわち、神は応答できる相手を求めて人間の創造を決意した、という意味です。引き続き、人間の創造はこう述べられています。「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。」(27節)。このように、古代中東父権社会の常識に逆らって、男性のみならず女性も神の似姿であることが強調されています。

 イエスはこの精神にのっとって、男性のみに離縁の権利を認めていた制度を拒否し、また、女性をも弟子の間に迎えました。その福音の要は、人はみな神の子なので、やがて「神の国」が出来上がるとき、誰もが歓迎される、ということでした。とくに差別されていた人々にとって、これは前代未聞のうれしい知らせでしたが、権力者には従来の体制を危うくしかねない脅威と映ったので、イエスは十字架刑に処せられました。このイエスを神がわが子として迎え、その下にすべてを一つに集めることを望んでおられる、というのが復活信仰の要です。その信仰を広めたパウロは、ガラテアの信徒に送った手紙の中でこう訴えています。「もはやユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません。あなたがたは皆、キリスト・イエスにおいて一つだからです。」(3章28節)

 もちろん、イエスやパウロの言動があって奴隷制度や男女差別が消えたわけではありません。しかし、その精神に鼓舞されて、どんな人間にも、まさしく一個人として侵すべからざる尊厳がある、ということが、今広く認められています。実際に人間の尊厳を認めることは、キリスト教信仰を共有する、ということを前提とするわけではありません。自らただ生きているだけでなく、生かされていることに気づく人は、他人も生かされていることを認め、命の神秘に敬意と感謝の念を覚えるでしょう。そういった包括的な意味において、南山学園は人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成を目指しています。


寛容と勇気の両立を目指す教育

 人間の尊厳を尊重かつ推進するには、寛容と勇気が必要です。寛容は、自分とは異なるものを、つまり、他人の意見、生活習慣や価値観など、さらに、異文化や諸宗教などを、ただ容認するだけでなく、まさに異なっているからこそ肯定し、自らそれとの接触・交流によって豊かになることを感謝する、といった姿勢のことを言います。そのような姿勢を持ち合わせるには、自分にきちんとした意見や価値観があること、さらに地元の文化や宗教などを十分に知ることが前提になります。南山学園は、自信を持って自分とは異なるものを肯定できる寛容な心を育むために、宗教教育と教養教育を重視しています。

 一方で、人間の尊厳が尊重かつ推進される必要条件である、正義と平和が脅かされる場面に遭遇した場合には、寛容な姿勢だけでは間に合いません。正義と平和の維持、回復、推進に貢献するため、時には大きな勇気が必要です。その都度の変わる状況に応じて正しく判断し行動するため、勇気は十分な知識ときちんとした価値観に裏打ちされていなければなりません。そして何よりも大切なのは、自らの非を認め、相手を赦することのできる謙虚な心です。南山学園は、賢明で、謙虚な勇気を育むために基礎学力と専門知識の学習に加えて、倫理教育に力を入れています。

 南山学園内の各学校は、小学校から大学院まで一貫して協力し、それぞれのレベルに合わせて寛容と勇気の両立を目指す教育を行うよう最大限努力いたします。


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学校法人南山学園