NO.26 宅老・すずめのお宿  
鈴木啓子(大6期 仏文)
 「タクロウ」という響き、同窓会に入会間もない諸氏には「宅浪(自宅浪人)と聞こえるのではなかろうか?! 鈴木さんは「宅老・すずめの宿」というNPO活動を5年前から自宅の一部を解放して続けておられる。
 宅老(託老)という文字からご理解いただけると思うが、老人達が心楽しく、心を寄せ合えるまちづくりをめざし、500円で手づくりのお昼を食べながら一日おしゃべりして楽しく過ごしてもらう場を提供するというものである。
 この活動と並行して、区の社会福祉協議会理事、ボランティアグループ代表、介護の社会化を進める1万人市民委員会宮城運営委員等々、その多忙さは超人的ですらある。それらの役職をつとめつつも、ご自身も障害者施設で書道を通しての奉仕活動、さらには老人世帯用のお弁当の配食サービスをこなしておられる。
「タクロウ」という響き、同窓会に入会間もない諸氏には「宅浪(自宅浪人)と聞こえるのではなかろうか?! 鈴木さんは「宅老・すずめの宿」というNPO活動を5年前から自宅の一部を解放して続けておられる。
 宅老(託老)という文字からご理解いただけると思うが、老人達が心楽しく、心を寄せ合えるまちづくりをめざし、500円で手づくりのお昼を食べながら一日おしゃべりして楽しく過ごしてもらう場を提供するというものである。
 この活動と並行して、区の社会福祉協議会理事、ボランティアグループ代表、介護の社会化を進める1万人市民委員会宮城運営委員等々、その多忙さは超人的ですらある。それらの役職をつとめつつも、ご自身も障害者施設で書道を通しての奉仕活動、さらには老人世帯用のお弁当の配食サービスをこなしておられる。
 こうした活動のきっかけは、ご自身が親の介護に直面したことからと伺ったが、1959年に仙台に居を移されて以来、子ども文庫、親子読書活動などを通して培われたお仲間との強い信頼関係が今日の鈴木さんの幅広い活動をゆるぎないものにしている。勿論、ご家族の応援と協力があったことは言うまでもないであろう。
 最近は、昨年よりスタートした介護保険制度のサービスの評価の仕事や苦情処理の仕事とともに、宮城県の社会教育課の人権教育企画推進委員会のメンバーとして障害者に対する取り組みも始まったとのことである。
 不躾にもお尋ねしたことがある。「どうしてそんなに頑張れるのでしょうか?」と。
 「何かに一生懸命取り組むことは自己実現にもつながるわけで、充実感があるんですよね。その時、その時に一生懸命になれるものがあり、ちょっとだけ努力して、ちょっとだけ満たされるものがあれば、生きていけるみたい……。本当に平凡でちっぽけな人間の生き方ですよ。」
 介護からくる腰痛を抱えながらも終始ニコニコとお答えいただいた。「一に仲間、二に家族の協力あってこそよ。私は生かされていることに感謝しているの。」とも。1995年に仙台文化出版社より、ご自身の疎開体験にもとづいた「四年生の戦争」という著書が上梓されていることもご紹介しておく。
文責 伊沢智子(第18期 英米)